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認知症の予防にはサウナと運動?

認知症予防のために日々おこなっている習慣はありますか?筋トレや脳トレや食事法など...さまざまありますが、そのひとつとして身体をあたためた状態での運動も効果があるといわれています。ブリュッセル自由大学でおこなわれた研究によって、身体をあたためながらの運動によって脳内のBDNFという物質をより多く出せることがわかりました。この記事では、実際の実験の内容と結果について解説していきます。ぜひ、サウナと運動を上手に利用して、認知症予防もおこなっていきましょう。また、記事の最後にフィンランドのサウナのなかでも特に温度が高いと言われるスモークサウナ、おすすめのスモークサウナスポットについても紹介します。

認知症予防のカギともいわれるBDNFとは?

まずはじめに、BDNFについて知っていきましょう。BDNFとは”Brain-Derived Neurotrophic Factor”の略称で、「脳由来神経栄養因子」と言われています。BDNFは脳の海馬や大脳皮質、血中などにあるタンパク質です。また、中枢神経と末梢神経に働きかけ、神経細胞の維持や成長をサポートする役割があります。

BDNFによって、長期的な記憶が可能になるため、現在は認知症との関連について詳しく研究が進められています。さらに、運動によって脳内のBDNFを増加させられることも判明しました。(※1)

ブリュッセル自由大学による研究

ブリュッセル自由大学の研究では、以下のような内容で実験がおこなわれました。

「11人の男性アスリートが、18℃または30℃の温度のなかで、シタロプラムもしくはプラセボ療法を用いた自転車エルゴメーターをの実験を4種類おこなった(シタロプラムとプラセボ療法は12時間におき20㎎)。血液採取(BDNFとコルチゾール値)を安静時、55%Wの60分後、75%Wのタイムトライアルの30分後、そしてその後の15分間の休憩時におこなった。さらに、心拍数と体内深部の温度も計測した。

実験の結果、30℃の温度のなかでのパフォーマンスは18℃と比べて20%悪化した。これはシタロプラムの影響とは関係なく悪化している。血液採取の結果では、運動によってコルチゾールとBDNFの値が増加していることがわかった。また、運動中の体内深部の温度にしたがってBDNFの値も上昇し、18℃時の運動と比べて30℃の方が上昇値がアップした。」(※2)

この実験から、外部の温度が高い状態での運動は血中のBDNFとコルチゾール値を上げることがわかりました。さらに研究論文のなかでは、暑い外部環境での運動が血液脳関門の働きに影響をおよぼすため、より高いBDNFを脳内で引き起こす原因となっているのではないか、といった仮説が立てられています。血液脳関門とは、血液を通して脳組織に余計な物質が入らないようにするための脳内物質の働きであり、未だに詳しくは解明されていないものの、BDNFとの関わりがあるとも考えられています。

BDNFと運動のポイント

研究結果に基づいて、BDNF値をアップさせるためには、夏の暑い時期に屋外で運動したり、ホットヨガなどの高温室内で身体を動かすことが有効です。ただし、熱中症や水分不足には十分に気をつけながらおこないましょう。

また、研究論文で書かれていた通り、高い気温での運動はコルチゾールも同時に上昇します。コルチゾールとは「ストレスホルモン」とも言われており、身体がストレスにさらされることで生成されるホルモン物質です。大量に分泌されたり、分泌バランスが崩れたりすると身体に悪影響があるとも言われています。

そのためコルチゾール値の上昇が気になる方もいるかもしれませんが、運動と組み合わせながらの適度な分泌であればそこまでは問題はありません。ただし、極度のストレス状態や睡眠不足、内臓が疲れているときは、まずは身体を休めてから運動をおこないましょう。

さらに運動の前後でサウナを取り入れることで、身体の深部をあたためることができます。深部体温を上げた状態での運動もBDNF値アップが期待できるので、運動とサウナの組み合わせがおすすめです。とくに高気温のなかでの運動が苦手な方や、紫外線を浴びることで疲労しやすい方などは、サウナで身体をしっかり温めてからのトレーニングがいいでしょう。

上級者向け?フィンランドのスモークサウナで深部まで温まる

サウナの生まれ故郷であるフィンランドでは、電気ストーブや薪ストーブを使ったサウナが一般的です。その一方で、「スモークサウナ」と呼ばれるやや上級者向けのサウナがあることをご存知でしょうか?

スモークサウナとは、煙突のないサウナ室で薪ストーブを燃やして入るサウナのことです。通常はサウナストーブから出てくる煙を逃がすために煙突が付けられているのですが、スモークサウナではその煙突がありません。代わりに煙を少しづつ逃がすための小さい穴が開けられており、煙が完全に外に出るまで長時間かけて薪をくべつづけながら待つ必要があります。だからこそ、通常のサウナと比べてサウナストーブの温まり方が違い、ちょっとやそっとでは冷めることがありません。

スモークサウナの薪ストーブに水をかける「ロウリュ」をすると、サウナ室全体がかなり熱くなります。そのため、ロウリュをせずにサウナ室の温度だけでじっくりと身体を温めることが好まれています。スモークサウナは、フィンランド内でもレアなので人気があります。短い時間でも身体を芯まで温められるため、冷え性の方にもおすすめです。

また、フィンランドではスモークサウナのあるサウナ施設には、湖があることも多く、スモークサウナのあとに水に浸かることで血液循環を促すこともできます。特に人気なスポットは、ヘルシンキからバスで30~40分ほどの郊外にある”Kuusijärvi”(クーシヤルヴィ)です。小さいスモークサウナが2つ、大きいスモークサウナが1つあり、かなり熱いスモークサウナを思いっきり楽しめます。フィンランドに来た際はぜひ訪れてみてくださいね。

おわりに

認知症対策に効果があると言われているBDNFという脳内タンパク質は、高気温のなかでの運動によって増えることが研究でわかりました。脳の物質や働きについては未だ解明されていないことも多いため、さらなる研究が必要であると結論付けられています。

気温の高い日に屋外で運動したり、温室内での運動も有効ですが、身体に負担がかかりすぎることもあるので気をつけましょう。心配な場合は、運動の前後でサウナに入って身体の芯までしっかり温めることを心がけてください。

いつまでも若々しい脳の働きを保つためにも、日々の運動を意識していきたいですね!

参考文献

※1

2014/10/12

Kristin L., Szuhany, MatteoBugatti, Michael W.Otto / Department of Psychological and Brain Sciences, Boston University

“A meta-analytic review of the effects of exercise on brain-derived neurotrophic factor”

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0022395614002933?via%3Dihub

※2

2011/4/25

Maaike Goekint, Bart Roelands, Elsa Heyman, Rose Njemini, Romain Meeusen / Department of Human Physiology and Sports Medicine, Vrije Universiteit Brussel, Brussels, Belgium.

“Influence of citalopram and environmental temperature on exercise-induced changes in BDNF”

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21385602/

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