プランクが続かない人へ。実は“走るだけ”でインナーマッスルは鍛えられる

ランニングでインナーマッスルを鍛える

通常、ランニングといえば「リラックス」「自律神経を整える」「持久力を高める」といった健康効果が注目されます。
確かに、一定のリズムで呼吸を整え、適度に汗をかくことは、心身をリセットするには理想的な運動です。

けれど
「体幹を鍛えたいけど、プランクは退屈で続かない」
そう感じたことはありませんか?

実は、走り方を少し変えるだけで、ランニングは“インナーマッスルを鍛えるトレーニング”に変わります。


フォームを整え、姿勢を意識して走るだけで、腹横筋や腸腰筋といった“身体の奥の支え”が自然と働き出すのです。

つまり、ただの有酸素運動が、「姿勢を整える体幹トレーニング」に進化する。
それが、“走りながら鍛える”という新しいランニングの考え方です。


なぜランニングでインナーマッスルが鍛えられるのか

ランニングは一見「脚の運動」に見えますが、実際には体幹の安定性を常に保ちながら動く運動です。
特にフォームを意識して走ると、以下のようなインナーマッスルが常時働き続けます。

筋肉名主な役割
腹横筋(ふくおうきん)お腹をへこませるようにして腹圧を高め、体幹を固定する。ドローインで使う筋肉。
多裂筋(たれつきん)背骨を1本ずつ支えるように安定させ、姿勢を崩さない。
腸腰筋(ちょうようきん)骨盤と大腿骨をつなぎ、脚の振り出しを安定化。
骨盤底筋群体幹の“底”として腹圧を支え、姿勢の安定に寄与する。

つまり、正しい姿勢で走る=インナーマッスルが常に細かく働き続けているということです。
これは、マシンや床上トレーニングとは異なり、「姿勢を保ちながら動く」という動的安定性のトレーニングになっています。

多裂筋

インナーを使うランニングフォームのポイント

インナーマッスルを使いながら走るには、次の意識が不可欠です。

  1. 胸を張る – 背骨を伸ばし、重心をまっすぐ保つ。
  2. お腹を軽くへこませる – ドローインを意識し、腹横筋を常にONにする。
  3. 骨盤を立てる – 骨盤を前傾でも後傾でもなく中立に。腰で支える感覚。
  4. 腕を後方に振る – 肩甲骨まわりの安定筋(前鋸筋・菱形筋)が自然に働く。
  5. 頭をブレさせない – 顎を引き、背骨と頭が一直線を保つように。

この姿勢で走ると、全身の筋肉が協調して動き、“軸を保ちながら動く能力”=真の体幹力が養われます。


スピードと時間の目安

インナーマッスル目的のランニングは、「速く走る」よりも姿勢を保つ時間が重要です。

  • 目安のペース:1kmあたり6分〜6分半(呼吸が整う程度)
  • 距離の目安:3〜5km(約20〜30分)
  • フォーム維持を優先。崩れ始めたら終了がベスト。

なぜ長時間ではないのか?
それは、1時間を超えると姿勢維持よりも“効率的に走るフォーム”へ切り替わるからです。
つまり、インナーを「鍛える」段階から「省エネで走る」段階に移行してしまう。
このため、20〜30分程度の集中走が最も効果的です。


注意点

  • 肩や首に力を入れすぎない(リラックス+腹圧が基本)
  • 息を止めない(ドローインしながらも呼吸を自然に)
  • 膝ではなく「体幹で脚を動かす」意識を持つ
  • 疲れてフォームが崩れたらすぐ終了(量より質)

まとめ

  • フォームを意識したランニングは、腹横筋・多裂筋・腸腰筋などのインナーを鍛える
  • 鍛えるというより、“姿勢を支える神経と筋の連動”を強化するトレーニング。
  • 20〜30分を目安に、正しい姿勢で走ることが最も効率的。

インナーマッスルを狙うランニングは、
「動きながら体幹を育てる」という、最も実践的なトレーニングです。
走るたびに姿勢が整い、日常の立ち姿や歩き方まで変わっていく——
その変化を感じられる頃、あなたのインナーは確実に強くなっています。

📚 参考文献例

論文タイトルURL/アクセス先(または DOI)
Contraction of the abdominal muscles associated with movement of the lower limb — P. W. Hodges, C. A. Richardson (1997)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9037214/ (PubMed)
Feedforward contraction of transversus abdominis is not influenced by the direction of arm movement — Hodges & Richardson (1997)https://link.springer.com/article/10.1007/PL00005644 (SpringerLink)
Does core strength training influence running kinetics, lower-extremity stability, and 5000-m performance in runners? — Kimitake Sato, Monique Mokha (2009)https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/2009/01000/does_core_strength_training_influence_running.22.aspx (リピンコット)
Effects of 8-week core training on core endurance and running economy in college athleteshttps://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6407754/ (PMC)
A systematic review of the effects of core muscle traininghttps://www.frontiersin.org/journals/sports-and-active-living/articles/10.3389/fspor.2025.1630584/pdf (frontiersin.org)
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