
【筋トレ民向け】「ステロイド=筋肥大」じゃない!?知らないと危険なステロイドの基礎知識
「ステロイドって筋肉をでかくするやつでしょ?」
……そう思ってるあなた。それ、半分正解で半分大間違いです。
実は「ステロイド」と呼ばれるものには種類があり、筋肉を大きくするタイプと、逆に筋肉を分解するタイプがあるんです。 この記事では、トレーニーが誤解しやすいこの点を、エビデンスベースでしっかり解説します。
✅ ステロイドって何者?
ステロイドとは、「ステロイドホルモン」という脂質由来のホルモンの総称です。 そしてその中には大きく分けて以下の2種類があります。
🧠 用語解説:アナボリックとカタボリックって何?
筋トレ界隈でよく聞くこの2つの言葉、意味をちゃんと理解してますか?
- アナボリック(Anabolic):
- 「合成する」「作る」という意味。
- 筋肉や骨などを“作り出す”方向に体が動いてる状態。
- 例:トレーニング後にプロテインを飲んで筋肉が修復される → アナボリック状態!
- カタボリック(Catabolic):
- 「分解する」「壊す」という意味。
- 筋肉やエネルギーを“分解して使う”方向に動く状態。
- 例:朝食を抜いて空腹で動き回る → 筋肉が分解されてエネルギーに → カタボリック状態!
筋肉を育てたい人にとって、アナボリックは味方、カタボリックは敵。 ステロイドの効果も、この「アナボリックか?カタボリックか?」で180度違ってくるわけです。
💪 1. アナボリックステロイド (Anabolic Steroids)
これは、ボディビルダーや一部アスリートが使用する筋肉増強目的のステロイドです。
- 人工的なテストステロン類似物質
- 筋タンパク合成を促進し、筋肉の成長や回復力の向上、体脂肪の減少に貢献
- 医学的には、筋萎縮症や低テストステロン症の治療に使用
🔬 エビデンス
- Bhasin et al., 1996: 使用により除脂肪体重が3〜5kg増加
- Griggs et al., 1989: テストステロン投与による筋力向上を示すメタ分析
⚠️ 副作用
- 肝臓障害
- 性機能の抑制(精子数低下、球乳萎縮)
- 心血管系リスク
- 精神症状(攻撃性、モチベーション不安定)
🏥 2. グルココルチコイド (抗炎症ステロイド)
こちらは、医療用に使われる炎症やアレルギーを抑えるためのステロイドです。
- 代表例: プレドニゾロン、デキサメタゾン
- 関節リウマチやぜん息、自己免疫性病の治療に広く使用
- ただし、筋肉には逆効果:筋肉を分解する「カタボリック作用」がある
🔬 エビデンス
- Kjaer, 2004: 長期使用で筋萎縮や筋力低下
- Schakman et al., 2008: 筋肉粒構のタンパク質分解系を活性化
‼️ 同じ名前に見えて全然別物
ステロイドの種類 | 目的 | 筋肉への影響 |
---|---|---|
アナボリックステロイド | 筋肉増強 | 筋肉が増える (合成↑) |
グルココルチコイド | 炎症抑制 | 筋肉が減る (分解↑) |
名前は似てても、作用は全然別。 「ステロイド=筋肉がでかくなるやつ」と思い込んでると、かなり危ないですよ。
📉 まとめ
- ステロイドには「筋肉を増やすタイプ」と「炎症を抑えるタイプ」がある
- ボディビルダーが使うのは「アナボリックステロイド」
- 病院で出されるのは「グルココルチコイド」
- 作用は真逆なので、混同しないよう注意!
🗣 最後に
アナボリックステロイドは確かに筋肉を早くつける、夢のような存在かもしれません。 でも副作用もまた強烈。短期の成果の裏には長期の代償あり。
使う、使わないの判断は自由ですが、最低限の知識とエビデンスは頭に入れておくべきです。