筋肉痛に対するこれまでの考え方を改める時が遂にきました。
筋肉痛と筋トレはセットだと思い込んでいましたが、実はそうではないようです。
結論から申し上げると、筋肉痛がなくても筋肥大や筋力アップはするということがわかってきたようです。
細かい解説は、今回取り上げる、
メンタリスト DaiGoさん
と
なかやまきんに君さんの動画をご視聴下さい。
あと、山本義則先生の動画のリンクも載せております。
メタアナリシスではないですが、お一人の意見だけでなく、複数の方の意見を聞くことにより、自分の意見を持つことが出来ると思っております。
いつものように、簡単ではありますが、ポイントだけを抜き出したものと、
まとめとして、私の感想を添えたいと思います。
お時間が無い方は、あとがき&感想と編集後記だけでも、読んでみて下さい。
この筋肉痛に関して少し詳しくなることで、自分に対してもそうですが、色々な方に正しいアドバイスができ、
無理なく、楽しいトレーニングが出来ると思います。
メンタリスト DaiGoさんの解説
筋肉痛、実は無意味であることが明らかに!
筋肉痛無意味説を解説
筋肉痛を感じた時に人は筋肉の成長を感じるが、それについて科学的根拠を考えたことがあるのか?
トレーナによっては、筋肉痛は筋肥大や筋力アップのサインというアドバイスがあり、その内容ももっともらしい。
内容として、
筋繊維が切れる、若しくは筋肉に炎症が起こるので、筋肉はその切れたり、炎症などを修復や回復にする時に、
筋肥大や筋力アップがされそれを成長と捉える。
専門用語では、超回復と言われる。
従って、筋肉痛が発生しないと筋肉は成長しないと思っているケースがある。
ただし最近の研究では、筋肉痛と筋肉の発達は関係ないとの考え方がある。
このような研究で有名なブラッドシェーフィールドという先生が筋肉を育てるために必要なものは何かということで3つ、提示している。
1:メカニカルテンション
適度な重量で筋トレをし、筋肉を刺激することにより、脳がもっと筋肉が必要と判断すること。
2:メタボリックストレス
体の疲れから、体内に疲労物質がたまる。乳酸やクレアチニンなど。
そのため、体を回復させるため、体内から成長ホルモンを出す。
その結果、筋肉が出来る。
3:筋肉ダメージ
筋肉に傷がつくことによって、筋肉痛が起き、その結果筋肉が増える。
とありますが、注意するべき3つ目の
筋肉ダメージに関してです。
これは、動物実験とテストステロンを注射した高齢者を対象とした実験の結果。
つまり、健康的な成人ではなく、成人の男女の実験ではない。
人は何か覚える時に分かりやすいものだけを覚える傾向が強いので、
メカニカルテンション
や
メタボリックストレス
という、すぐに忘れてしまう
カタカナ用語ではなく、
「筋肉ダメージ」
の方だけ覚えて、広まった可能性が高い。
しかし2012年に細かく調べた研究がある。
それは
「筋肉ダメージ(筋肉痛)」によって筋肥大をもたらす、科学的に証拠はみつからないと結論づけた。
なので、
筋肉痛がこないからといって追い込む必要はない。
むしろ、
メカニカルテンションやメタボリックストレスなどが大事。
その他の研究として、
CASE X●
2011年に健康な成人(男女)を対象に実験。
1つ目のグループは筋肉ダメージがあるグループ
2つ目のグループは筋肉ダメージがないグループ
どちらとも、筋トレはしている。
結果、筋肉量の発達を調べたところ変わらなかった。
CASE Y●
2007年の健康な高齢者を対象として実験。
結果は2011年と同じで、筋肉量の発達に違いはなかった。
さらに
CASE Z●
2016年の筋トレ初心者を対象にした実験では、最初の3週間は筋肉量は増える。
具体的には、たんぱく質の合成量が増えた。
しかし、3週間後は全く関係がなかった。
理論上は増えそうだが、実際数値に表すと影響がないように見える。
自分にあったウエイトでトレーニングすれば、筋肉痛にならなくても問題ないのではないか。
筋肉痛にならないことを悩む必要ない。
筋肉痛になりやすいのは、普段使わない筋肉を使うと筋肉痛になりやすい。
科学の面白いところは
みんなが信じていることが実は嘘でした。
とか
みんなが効果が無いと思っていることが実は効果があった。
日常の常識とのギャップが見えるのが科学の面白いところ。
なので、論文を読むのが好き。
大事なこととして、
このようなことは滅多にみつからない。
科学というのは人間の常識などを証明してくれる。
しかし時々このように、裏切りをしてくれる。
私はこの裏切りを集めるのが好きです。
なぜか!
みんなが間違ったことを信じている時に、自分だけ正しいことが出来れば大きく差が付く。
あとがき&感想
DaiGoさんの話は全て論文ベースではありますが、ご自身でもしっかりと筋トレされいますので、説得力があります。
筋肉痛によるダメージが筋肥大や筋力アップではなく、少し覚えにくい名前ではありますが、
メカニカルテンションとメタボリックストレスが重要のようです。
いずれにしろ、このブログで紹介しているトレーニング方法を変える必要はありません。
あなたにあった重量、あたなにあったトレーニング種目をこなすだけ。
筋肉痛がこないからと特に悩む必要はありません。
それより、DaiGoさんが最後の方に言われた、
みんなが間違ったことを信じている時に、
自分だけ正しいことが出来れば大きく差が付く。
この言葉はしびれますね(≧▽≦)
間違ったトレーニング知識や方法を意固地になって続けていると、損をするだけです。
現代のスポーツ科学を100%理解しトレーニングすることは出来ませんが、
知る機会がある時に、知識を得ることだけでも、違いは大きいと思います。
なかやまきんに君の筋肉痛に関しての解説
筋肉痛に関して科学者の間でもまだ謎に包まれていることが多い。
解剖学や生理学のプロフェッショナルではないが、筋肉歴24年の見地から説明していきたい。
一般的に言われている筋肉痛の原因は乳酸。
しかし矛盾点が多い。
従って、乳酸が原因ではないという専門家が多い。
乳酸はエネルギーになる。
筋肉のエネルギーはアデノシン三リン酸(ATP)。
糖を分解してATPを作り出す。その過程で乳酸が発生する。
乳酸は疲労物質ではなく、エネルギー物質。
乳酸に関しては別途解説します。
筋肉痛はどのような時に起こるか!
●普段使っている筋肉以上に動かした時。
●同じ姿勢を長く続けたとき。
主に骨格筋で筋肉痛は起きる。
心臓などは心筋。あとは内臓筋など。
これらで筋肉痛が起こることはない。
筋肉痛には2種類ある。
即発性筋肉痛
運動中や運動直後に痛みを感じること。
原因は酸素の欠乏。
乳酸が発生する生成過程において、水素イオンが発生する。
この水素イオンが酸性に傾かせる。
酸性に傾くとだるさを感じたり、痛みを感じることがある。
久しぶりに運動すると、痛みを感じることがある。
肩こりがひどいのも一種の筋肉痛。
血流が悪くなったり、酸素が行き届かないことで筋肉痛になる。
なので、マッサージをすると良くなるケースが多い。
遅発性筋肉痛
翌日若しくは、翌々日に起こる筋肉痛。
運動によってミクロの傷が出来る。
そのキズを回復させるため、白血球とかを中心とした、血液成分がそこに集まってくる。
その時に刺激物質である、ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミンなどが痛みを発生させる。
筋繊維には痛みを感じる神経が無いと説明しているものがあった。
筋膜(きんまく)等にそのような神経はあるが、筋肉繊維にはないというのは納得。
なぜ、時間が経ってから痛くなるのか?
即発性筋肉痛はキズが付いた時点で痛みを感じるのは理解しやすい。
遅発性筋肉痛は炎症などで、血液成分が集まるまでに時間がかかるからでないかと考えられる。
しかし、これらは決定的な証拠とはいえない。
その中で、歳をとると筋肉痛が遅れてくるという話はよく聞くが、色々と調べても特に年齢による筋肉痛が遅れて来るという話は認められなかった。
個人的(なかやまきんに君)にはこの件は少し違うと思う。
全くないことはないと思う。
なぜなら、10代、20代の頃は翌日に筋肉痛はバシバシにきていた。
しかし30代半ば以降はちょっと遅く来ている感じがする。
色々な人に聞いてもやっぱりあるという。
老化とは関係ないと思うが、歳とは関係ありそう。
原因として考えられるのが、血液の循環が衰えたり、
ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミンなどの刺激物質が脳に伝えるのが遅くなった可能性がある。
どのような運動で筋肉痛が起こるか。
動きに大きく分けて2つある。
収縮(ポジティブ)と伸ばす運動(ネガティブ)がある。
その他の呼び名として、
類語→収縮、ポジティブ、短縮性運動、コンセントリック
類語→伸ばす運動、ネガティブ、伸張性運動、エキセントリック、伸展
収縮する時よりも、伸ばす運動の方が筋肉痛は起きやすいといわれている。
これは筋原線維というものがあり、アクチン、ミオシンがある。
~~~
アクチンとミオシンの説明はきんにく君さんの動画を視聴下さい。
身振り手振りで説明されてます。
~~~
筋肉痛が起こっている時は回復している時。超回復。
そして以前より強くなって、成長していく。
質問で筋肉痛がある時は筋トレをしていいのかがあります。その他、毎日筋トレをやっていいのかなど。
これらの質問でよく思うのは、
筋肉痛とは1つの目安で良い。
従って、筋肉痛がある時はハードな筋トレを行わないという目安にしている。
有酸素運動的な問題ない。
アドバイスとして、筋肉痛があるうちは、休むというのを目安にする。
痛みがあるということは、体がなにかを伝えようとしている。
なのでお勧めしないです。
続けて、どれくらいの休みが必要か!
逆に筋肉痛がなければ毎日やっていいと考えている。
しかし、関節や靭帯、腱などにも負荷やダメージはあるので、様子を見ながら。
筋肉的なことだけいうと、筋肉痛がなければ毎日やっても大丈夫。
その他の質問。
筋肉痛がないと筋肉は成長しないのか?
初心者と上級者では内容が違う。
初心者の場合は筋肉痛が無くても成長することはあると思う。
しかし上級者の場合は、筋肉痛がないと成長しないかもしれないという感じはする。
なので私は(なかやまきんに君)はトレーニングメニューを毎回変えている。
例えば背中だったらデットリフトからやる時とラットプルダウンやローイングなど。
またインターバルの時間調整し、短くしたり、長くしたり、回数も同様に増やしたり、減らしたり。
なにせ新しい刺激を常に体に与えたい。
しかし
JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のトップビルダーの合戸さんがいうには、
「筋肉痛はない」
なので個人差はあると思う。
少し話は戻りますが、
上級者の場合、
>収縮する時よりも、伸ばす運動の方が筋肉痛は起きやすいといわれている。
は正確ではなく、
収縮する時にしっかりと負荷をかけたあとに伸ばす運動(伸展)の方が筋肉痛は起きやすいといわれている。
なので、伸展に意識を向けるだけでなく、収縮にもしっかりと意識を傾ける。
次に筋肉痛を早く回復させる方法。
タンパク質をしっかりと摂る。←基本です。
アイシングが良いか、温めた方が良いのか?
実体験として、アイシングの方が筋トレがあんまり起きなかった。
なので、炎症の時は温めると良くないと感じる。
最後に
筋トレをやり過ぎたり、追い込み過ぎたりして、少しの階段を上がることすらもすごくつらいなどとありますが、かなり危険な事です。
それは筋肉痛というより、筋肉繊維が溶けている状態があるらしい。
その場合、腎臓にも負担が行く。
適度な筋肉痛は大丈夫だか、動けないぐらいの筋肉痛は大変危険です。
なので、初めて運動する方、久しぶりに運動する方は徐々にやっていってください。
あとがき&感想
なかやまきんに君さんは毎回謙虚です。ご自身はエキスパートではないと言われてますが、日本でもアメリカに留学した時でも、スポーツ科学はしっかりと勉強されています。
40代以上の方々は乳酸(にゅうさん)が疲労物質というふうに教わったと思いますが、そのあたりの間違えもなんとく指摘して下さってます。
あと、「筋繊維には痛みを感じる神経が無い」これは結構、驚きました!
また筋肉痛を目安として、筋トレを行う方法は誰もが取り入れて良いテクニックだと思いますし、DaiGoさんもおっしゃってましたが、筋肉痛がこないからといって、落ち込む必要はないようです。
ただ、筋肉
体質によって筋肉痛がある人と無い人がいます。
ただ、運動会でお父さんが頑張り過ぎて、しばらく筋肉痛がある(2週間以上)というのは、危険というのは初耳でした。まさか筋繊維が溶けるとは。。。
このような事実を知ると、運動を普段しないお父さんが参加するのは、考えなおした方がいいですね。
もっと親子で楽しく競技出来る種目を選ぶべきだと思いますが、中々むずかしいでしょうね(;^_^A
山本義則先生の筋肉痛に関しての解説
内容はだいたい同じだったので興味あるかた視聴してみて下さい。
筋肉痛が筋肥大に絶対的に関係するわけではないとおっしゃってました。
いつも短い時間で分かりやすく解説して下さるのですが、今回は3分ほど!とさらに短い動画時間でしたが、めちゃめちゃ分かりやすくかったです。
編集後記
お三方の意見以外でも、色々と調べてみましたが、筋肉痛が筋肥大や筋力アップに関係している決定的な資料はありませんでした。
共通している内容として、
正しい重量、正しい回数、正しいフォームで
筋トレを行えば、筋肉痛がこなくとも、
筋肥大や筋力アップはする。
これに尽きると思います。
英語で筋肉痛をmuscle pain(マッスル ペイン) とはあまりいいません。直訳すると、マッスルは筋肉。ペインは痛みになります。間違いではないようですが、ネイティブスピーカーが使うことはあまりません。
最初に私がこの言葉を使った時は、ニヤニヤされ間違いを指摘されました。
正しくは
Sore (ソア)
です。
例えば、
I’m so sore.(アイ アム ソア)
↓
私は筋肉痛です。
や
My arms are sore.(マイ アームス アー ソア)
↓
両腕が筋肉痛です。
みたいな感じで使います。
筋トレもそうですが、間違って始めて色々と気付かされることは多いです。
これまでの筋肉痛に関しての知識も間違っていたからこそ、今回は興味があって色々と調べる事が出来ました。
間違いに感謝しながら、今日もダンベルフライ頑張ります。