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「サウナに入るとコルチゾールが増える」という事実を知っていますか?

コルチゾールとは「ストレスホルモン」とも呼ばれており、身体がストレスを感じると大量に分泌されるホルモンです。

サウナに入ることでコルチゾールが増える傾向があるものの、日々なにかしらのトレーニングを続けている人は、サウナに入ってもコルチゾールが出にくいことがわかっています。

この記事では、サウナでコルチゾールが増える理由と、サウナーがトレーニングをしたほうがいい理由について、研究論文を参照にしながら解説していきます。さらに身体に負担をかけないフィンランド流サウナの入り方も紹介します。より健康的にサウナを楽しむために、ぜひチェックしていきましょう。

ポーランドの大学による研究結果

ポーランドのスポーツ大学の研究では、フィンランド方式のサウナの入り方によって、アスリートの白血球の状態とコルチゾール値にどのような変化があるかどうかを調べました。(※1参照)

研究結果では、運動をしていない人たちよりも、中距離ランナーとして日々トレーニングをしているアスリートたちのほうが、サウナに入ったあとのコルチゾールの増え方がややゆるやかであるといった内容を発表しています。

この研究では、フィンランド式のサウナを用いて実験がおこなわれました。実験の対象となったのは、中距離ランナーとして毎日運動をしている人と、週2回だけ大学の体育の授業を受けている人です。

おおまかな実験方法が次のとおりです。

「運動しているグループとしていないグループどちらも、フィンランド式サウナに15分入り、冷たいシャワーを2分間浴びてクールダウン。体内温度が1.2℃以上あがるまで続ける。」

このような実験をおこない、最後にコルチゾールの分泌量を測定して比べてみたところ、運動をしているグループのほうが、コルチゾール値の上昇がゆるやかであることがわかりました。具体的な数値としては、運動しているグループの平均は+4,51の増加だったのに対して、運動していないグループの平均は+5,89の増加でした。

なぜサウナに入るとコルチゾールが分泌されるの?

コルチゾールは腎臓に付随する副腎皮質から分泌されます。コルチゾールはストレスを感じたときに、脳や内臓の働きを守るために分泌されますが、ストレスが強すぎてコルチゾールの分泌量が多くなると、逆に血圧があがったり、自律神経バランスが乱れることがあります。

そのため、ストレスが多い現代社会においては、コルチゾールの分泌量も多いので、基本的には分泌おさえたほうがいいタイプの人がほとんどです。それでは、ストレス解消のために入るサウナでも、コルチゾールを分泌させてしまうのはなぜでしょうか?

生命維持のために身体が反応するから

サウナに入ったときにコルチゾールが分泌される最大の理由は、生命維持のために身体が反応してコルチゾールを出すからです。サウナは普段の生活では感じないような、極端な暑さを感じます。そのため、身体にとって負荷がかかり、脳がストレスを感じ取って反応するのです。

2007年にポーランドの”Biology of Sport”にて発表された研究論文には、「サウナのような暑い環境において、ストレスから身を守り生命維持として内臓を働かせるために、コルチゾールを最重要とするグルココルチコイドが活発になる」と書かれています。(※2参照)

つまり、極限の暑さのなかでも身体を動かすために、サウナに入るとコルチゾールが分泌されるのです。もちろんコルチゾールも身体に必要なホルモンではあります。しかし、普段からストレスが多かったり、睡眠不足だったりすると、コルチゾールは日常的に分泌されているので、あまり分泌量を増やさないほうが得策です。

そのため、ストレス過多の自覚がある場合はサウナは控えたほうがいいでしょう、しかし、サウナでストレス解消をしている人も多いはずですよね。

サウナに入ってもコルチゾール値がゆるやかになるように必要なのが、冒頭でも述べたとおり、日常的なトレーニングです。

なぜアスリートはサウナ後のコルチゾール値上昇がゆるやかなの?

それでは、運動をしているグループのコルチゾール値がそこまで上がらないのはなぜでしょうか?理由はおもに二つあります。

①熱に耐えられる体力があるから

日常的にトレーニングをしている人がサウナに入ってもコルチゾールが急激に増えないのは、熱に耐えうる体力があるからです。

最初に取り上げたポーランドの研究論文によると、運動をしていない人たちのグループはコルチゾールの分泌量がアスリートよりも多いことがわかっています。そして、「サウナは運動していない人にとって、より高熱のストレスを引き起こす」と説明しています。

コルチゾールが分泌されるのは、ストレスがかかる状況のなかで生命を維持するためでもあると解説しました。運動していない人は、身体が熱や暑さを感じることが少ないため、サウナに入ると脳が「異常事態だ!」とすばやく反応し、コルチゾールを出そうとします。

普段から身体を動かしている人は、サウナに入っても暑さに耐えられるだけの体力があり、身体自体も熱に慣れているので、そこまで脳がストレスを感じることがありません。もちろん運動している人も、サウナに入ることでコルチゾール値が上昇するのですが、やはり運動していない人と比べると上昇値がゆるやかなのです。

②普段からサウナに入る習慣がある

こちらはアスリートに限りませんが、普段からサウナに入る習慣がある人はコルチゾールの増え方がゆるやかになります。

先に紹介した”Biology of Sport”の論文では、実験の参加者が日付をまたいで複数回サウナに入りつづけた結果、「身体が熱に慣れていき、コルチゾールの増える数値が低くなった」と書かれています。

したがって、サウナによるコルチゾールの上昇を防ぎたいのであれば、日々トレーニングをおこないつつ、定期的にサウナに入ることをおすすめします。そして、あまり慣れていない状態でサウナに入るときは、時間を短めにして、まずは身体をサウナに慣れさせることを優先してください。

フィンランド流サウナの入り方

それでは、具体的にどのようにサウナの入り方が身体にとってストレスが少ないのかチェックしていきましょう。身体に負担をかけないサウナは、フィンランド流サウナの入り方がおすすめです。サウナ好きな人は、ぜひ日々のトレーニングに加えて実践してみてください!

余談:
サウナ発祥の地とされるフィンランド
1500年前からあると言われています。

🧖‍♂時間や回数は決めずに自由に入る

フィンランドでは、日本のようにサウナの作法や決まりなどがありません。最低限のルールやマナーを個々人が守り、それぞれが好きにサウナを楽しんでいます。

時間や回数などもとくに推奨はなく、自分の身体やその日の体調にあわせて、自由にサウナを楽しむのがフィンランドらしいサウナの入り方です。また、人にもよりますが、フィンランド人(とくに男性)は日本人よりも筋肉量が多いので、身体があたたまるスピードが速く、そこまで何回も長時間にわたってサウナとクールダウンを繰り替えすことをしません。

もちろんタイプにもよりますが、サウナに慣れていない人は最初から何回も入るのではなく、1~2回くらいで終わらせるのがおすすめです。

🧖‍♂水風呂よりもシャワー

フィンランドのサウナは、日本の銭湯のように水風呂がないところが多く、サウナ後は冷たいシャワーを浴びるだけで済ませることが普通です。

フィンランドのサウナといえば、湖や海に飛び込むイメージが強い人もいるかもしれません。もちろん公衆サウナやコテージなどでは、海や湖に隣接しているサウナもたくさんあります。しかし、フィンランドの家庭内に設置されているサウナは、水風呂よりもシャワーのほうが一般的なので、サウナ後に水に浸かるタイプは日本のほうがメジャーともいえます。

サウナ後の水風呂は、たしかに気持ちよさはありますが、無理に身体を冷やすことでコルチゾールを分泌させてしまう可能性もあるので気をつけましょう。血行をよくさせる意味では効果がありますが、慣れていないと身体にとって大きなストレスとなるので、無理せずシャワーだけで済ませるようにしてください。

サウナはトレーニングと一緒に!

サウナは健康や美容にも効果がある一方で、入り方によっては身体に負荷をかけ、コルチゾールの分泌が活性化されてしまう可能性があります。しかし、日常的によく運動をしていれば、サウナ時のコルチゾールの分泌をゆるめることができます。そして身体がサウナの暑さに慣れていることも重要なので、無理のない程度でサウナに入ることをおすすめします。

また、巷では「サウナの入り方」としてさまざまなところで指南されていますが、自分の好きなタイミングや時間で楽しんだほうが、個人的にはリラックス度合いが高くなります。ぜひ自分の身体にあわせたサウナの入り方を模索してみてくださいね。

引用文献・サイト

※1

Wanda Pilch, Ilona Pokora, Zbigniew Szyguła, Tomasz Pałka, Paweł Pilch, Tomasz Cisoń, Lesław Malik, and Szczepan Wiecha (2013/12/18)

“Effect of a Single Finnish Sauna Session on White Blood Cell Profile and Cortisol Levels in Athletes and Non-Athletes” https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3916915/#b30-jhk-39-127

※2

W. Pilch, Z. Szyguła, M. Torii (2007)

EFFECT OF THE SAUNA-INDUCED THERMAL STIMULI OF VARIOUS INTENSITY O

http://31.186.81.235:8080/api/files/view/14148.pdf

Biology of Sport 公式HP

https://www.termedia.pl/Journal/Biology_of_Sport-78/Info

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