サウナは命にかかわる心臓病リスクを下げる可能性がある※研究論文をもとに解説

はじめに

サウナで汗をかいてリフレッシュできるのはいいものの、「サウナに入ると心臓に負担をかけるのでは?と心配する人もいるのではないでしょうか?もちろん、身体にムリのある入り方をすると心臓に負担をかけてしまいます。

しかし、サウナは心臓病の死亡リスクを下げるといった研究結果が出ています。この記事では、サウナ発祥の地、フィンランドの大学にておこなわれた研究をもとに、サウナと心臓病リスクの関係について解説していきます。

「サウナに入りたいけど心臓に負担がかかりそうで心配...」という人もこの記事をチェックして、より安全・健康的にサウナを楽しみましょう!

フィンランド・クオピオ大学による実験

フィンランドのクオピオ大学では、心臓病による死亡率とサウナに関する実験がおこなわれました。※1https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2130724

研究では、1週間のうちにサウナに入る頻度が高い人は心臓病の死亡リスクが低いといった結果が出ました。おおまかな実験内容は以下の通りです。

フィンランドのクオピオ、もしくは近郊に住んでいる42~60歳の男性をランダムに選出。実験対象の男性たちは、毎回サウナに入った回数やサウナにいた時間、健康状態などについてのチェックシートに回答を記入。実験は1984年3月1日から1989年12月31日まで継続された。

5年間の実験の結果、週に1回以下しかサウナに入らなかった男性たちのなかで、命にかかわる心臓病を患った確率は10.1%だったのに対し、週2~3回は7.8%、週4~7回だと5%にまで減少することがわかりました。

心臓血管疾患も週1回以下のサウナだと22.3%だったのに対し、週2~3回は16.4%、週4~7回は12%にまで下がりました。その他の結果も踏まえて、サウナを頻繁に利用することで心臓病の死亡リスクが抑えられると結論付けられています。

なぜサウナに入ると心臓病のリスクが下がるのか?

サウナに入ると心臓病のリスクが下がる理由は、血圧と血管にあります。通常よりも暑いサウナ室に一定時間いることで、身体の血管が拡張します。それにより、身体の血圧を一時的に下げることができるのです。

もちろん広がった血管は時間が経てばもとに戻ってしまいますが、何度もサウナに入る生活を続けることで、血圧が下がりやすい身体を目指せます。身体にはホメオスタシスと呼ばれる、恒常性機能が備わっています。サウナに日々入ることで、身体が徐々にサウナに慣れていき、血圧にも変化が生じる可能性があるのです。

また長期的なサウナの利用によって、左心室の強化に繋がるとも言われています。※2 左心室は、新鮮な酸素を含んだ血液をカラダ中に送り出す働きをしています。そのため、左心室の動きがよくなると、全身に酸素が行きわたり、身体に大きなメリットをもたらしてくれるのです。

左心室がしっかりと働くことで、心臓の血液が正常に身体に運ばれるため、命にかかわるような心臓血管病のリスクを抑えることができます。

逆にサウナによって心臓に負担がかかる場合

逆にサウナに入ることで心臓に負担をかけてしまう場合もあります。リスクを抑えるためにも、自分の身体にあったサウナの入り方を身に付けましょう。

<h3>急激な温度の変化</h3>

サウナ後の水風呂の利用は、心臓に負担をかける場合があります。とくに長時間サウナに入ったあと、過度に冷たい水の中に入るような行為は、心臓発作に繋がる可能性があるため危険です。

サウナで血管が拡張した状態から、冷たい水によって急激に血管が引き締まるため、心臓にも大きな負担となるからです。

水風呂に入るときは、あらかじめ水分をしっかりとり、呼吸を忘れずに入りましょう。また水の温度や入り方にも気を付けてください。

とくに心臓が弱い人や高血圧の人は、シャワーだけにしたり、徐々に身体を慣らすようにゆっくり水風呂に入ることをおすすめします。

休まずにサウナに入り続ける

サウナから上がって水風呂やシャワーを浴びた後に、休まずサウナに入るのは危険です。暑いサウナから冷たい水風呂、そして再び暑いサウナ...と繰り返すことで、過度に血管が収縮するため心臓に負担がかかります。

一度、身体を休ませて血管の収縮を抑えるためにも外気浴を挟むようにしましょう。また、サウナや水風呂、外気浴のペース・時間配分などもそれぞれの体調や持病の有無などによって異なります。

最初のうちは「物足りないかな...」と思うくらいのペースや回数に抑えて、自分に合う入り方を見つけましょう。

フィンランド人はサウナに入る頻度もそれぞれ

フィンランドでは、ほとんどの家庭にサウナがあることでも有名ですが、もちろん家によってサウナがない家庭もあります。

とくに首都ヘルシンキは、フィンランドのなかで最も家賃が高い場所なので、サウナ付きの家に住むのもなかなかコストがかかるのも事実。それでも、アパートに共有サウナがあったり、職場にサウナが併設されていたりするので、フィンランド生活とサウナは切っても切り離せません。

さらに、街中に公衆サウナもあり、夕方になると仕事終わりにサウナに入りにくる人たちで混み合います。サウナが身近なフィンランド人といえども、サウナに入る頻度は人によってさまざまです。

サウナの準備が面倒で入らなかったり、仕事や子育て、趣味などの時間に奪われて入るタイミングを失ったりと、たとえ家にサウナがあっても意外と入らないフィンランド人もいます。

それでも、一般的には週に一度はサウナに入るフィンランド人が多く、とくに金曜日の公衆サウナは友人や家族、同僚と一緒に訪れる人たちでにぎわいます。自宅のサウナでは、ひとりでリラックスタイムを楽しみ、公衆サウナでは仲間との楽しいひとときを楽しむ。フィンランドでは、サウナの入る頻度や楽しみ方もさまざまです。

ムリなくサウナを習慣化させよう

クオピオ大学の研究では、サウナに入る頻度によって心臓病の死亡リスクが変わることがわかっています。身体に負担のかかるような入り方をしなければ、習慣的にサウナに入ることで血圧を下げ、心臓を強くする効果があります。

もちろん人によっては血圧や心臓に大きく負担がかかる場合もあるので、かかりつけ医などに相談しながらムリせずにサウナを楽しみましょう。

サウナの聖地フィンランドにおいても、サウナの頻度は人それぞれ。自分の身体の状態にあわせて楽しめるのが一番ですね。

※1

Tanjaniina Laukkanen, Hassan Khan, Francesco Zaccardi

“Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events” (2015/4)

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2130724

※2上記論文内より

“Long-term sauna bathing has been associated with lower blood pressure and enhanced left ventricular function3,4 and thus potentially with reduced CVD risk.”

※この記事はフィランドに住む、
ナカタが書いております。
引き続きフィンランドにまつわる筋トレやサウナ情報をお届けしていきます。

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